金融・不動産

「手形・手形割引・不渡手形」~『ナニワ金融道』の内容を理解したい!①

「ナニワ金融道」という漫画について、名前を知らないという人はほとんどいないのではないでしょうか。

「勤めていた会社が倒産した主人公が、いわゆるマチ金である帝国金融に入り悪戦苦闘しながらも大阪一の金融マンを目指す。」という話で、ここだけ聞けばいい話に聞こえなくはないのですが、実際はかなりエグい内容になっています。

マチ金なので当然お客さんは借金をしに来ますし、貸す側の帝国金融も相手が返せなくなるのを前提に土地を担保に取ったり、保証人を付けるなどしていかなる手段を使っても回収しようとします。

子供のころ読んだときは内容が難しくてよくわからなかったのですが、大人になって読み返してみると生きていくうえで重要となる教えや、覚えていて損はない知識などが盛りだくさんであることに気づきました。

そこで、このシリーズでは「ナニワ金融道の内容を全て理解したい!」と称して、ナニワ金融道に出てくる金融用語について調べています。

第1回目は、ナニワ金融道でもよく出てくる「手形」「手形割引」「不渡り手形」について解説していきたいと思います。

 

手形とは!?

出典:ナニワ金融道 コミックス第1巻

第1話で、主人公の灰原達之が勤めていた会社の社長が、

「金融屋が手形を割ってやると言いながら、急に割れないと言い出した」というようなことを言います。

そもそも手形について知らない人にとっては何がなんだかさっぱりで、とにかくまずいことが起きているんだなあ・・・といった感じです。

手形・・・一定の金額の支払いを目的とする有価証券。為替手形、約束手形の総称。

約束手形・・・振出人が、受取人またはその指図人もしくは手形所持者に対し、一定の期日に一定の金額を支払うことを約束する手形

出典:デジタル大辞泉

お金を払う側からしたら、現金の代わりに手形を渡し(振り出し)ておいて、期日になったら銀行の当座預金口座から手形の額面の金額が引き落とされる、という形になります。

商売は基本的に現金(キャッシュ)を手元に残しておく必要があるので、すぐに現金を支払わなくてもいい手形は現在でも使われているそうです。(手形取引のピークはナニワ金融道の連載が始まった1990年らしい)

受け取った側は、自分が取引している銀行に手形の取り立てを依頼しておくと、期日になったら手形の金額が口座に振り込まれます。

上記の画像の場合は、手形の振出人が田抜塾の田抜本太郎氏であり、受取人がスピード印刷になります。

スピード印刷が田抜塾から何かしらの支払いを約束手形で受け取ったことが推測されます。

為替手形は今回関係ないので、次回以降機会があれば調べていきます。

ちなみに、マンガの中でも後々出てきますが、手形取引はある程度信用がなければできないそうです。

 

さらに余談・・・

上の画像の手形に、「200円」と書いている収入印紙が貼られています。現在でも、10万円を超え100万円以下の手形には200円の収入印紙を貼る必要があります。

詳しくは国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7103.htm

これは、課税文書という文書を作るときの税金に当たります。手形を切るときにも税金を払わなければならないのは損しているように思えますが、それによって証拠能力がつくのでイザという時に国に助けてもらえるということみたいです。

 

手形の割引とは!?

出典:ナニワ金融道 コミックス第1巻

先ほどあったように、手形を受け取った側は期日が来るまでそれを現金化することができませんが、すぐに現金が必要な場合にはそれでは困ります。

その際には、手形の割引という方法を用います。手形の割引とは、銀行などの金融機関や手形割引業者などに支払期日前の手形を裏書譲渡して現金化することを言います。

支払期日より前に手形を現金化することができるというメリットはありますが、デメリットとして手形の金額から割引料を引かれてしまうことが挙げられます。

金額が少なくなってもいいからすぐに現金が必要!!というような場合に手形の割引を依頼するようです。

しかしながら、上記の画像ではスピード印刷の社長は手形の割引を断られています。

理由はこの後にも書かれていますが、社長が電話している先の金融屋が、手形の振出人である田抜塾の経営状態が悪化していることを見抜き、「先の口が落ちるまで」、つまり前回割り引いた手形がちゃんと支払われるまでは次の割引に応じることができない、ということを言っているようです。

 

不渡りとは!?

出典:ナニワ金融道 コミックス第1巻

支払期日までに現金を用意すればいいという便利な手形ですが、それなりのリスクが存在します。

「不渡り手形」という言葉を聞いたことがあると思いますが、期日までに現金が用意できないなどで手形の支払いが拒否されることを、不渡りといいます。

そして、半年に2回不渡りを出してしまうと2年間銀行との取引中止処分となり、倒産へと繋がります。

上記の画像では、田抜塾は倒産しています。当然、田抜塾の手形も不渡りとなっていますが、そうなってくるとなんとスピード印刷にその手形の支払い義務が生じます!!

スピード印刷は田抜塾の手形を金融屋に割り引いてもらっていた(手形の期日前に少し安い価格で現金化していた)のですが、その時に手形を裏書譲渡しています。

手形の裏書譲渡は、このあとナニワ金融道でよく出てきます。貸した金を取りっぱぐれないようにするための帝国金融(桑田?)の常套手段です。

裏書譲渡とは、その名の通り手形の裏に住所や名前を書いて譲渡することですが、手形を受け取った人は、手形を振り出した振出人のみでなく裏書人からも手形の金額を請求することができます。(この場合、スピード印刷の社長が電話をしていた金融屋は田抜塾からのみでなくスピード印刷からも請求可能)

なのでスピード印刷の社長は金融屋に対して手形の金額を払って手形を買い戻す必要がありましたが、灰原に10万円借りるくらいなのでそんな余力はなく、夜逃げをしたということが推測できます。

 

ちなみに不渡りにも0号、1号、2号とありますが、ほとんどの場合1号の資金が用意できないパターンだそうです。物語の最後で0号不渡りも出てきますので、これもまた後々詳しく調べてみたいと思います。

まとめ

第1話のさわりの部分だけでも、経理や簿記、金融関係に関わりのない私にはチンプンカンプンな内容でしたが、調べてみると支払1つとっても奥が深いなーという印象です。

ナニワ金融道はこういったお金のことだけでなく、土地の話も出てきてホントに面白いですよね!

この調子でナニワ金融道を全て理解できるように調べていきたいと思います!!

次回は「署名と記名の違い」「小切手と手形の違い」について解説していきます!!

↓↓

「署名と記名」「手形と小切手」の違い~『ナニワ金融道』の内容を理解したい!②

 

 

-金融・不動産

Copyright© ななころガル , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.