投資・トレード

トレードの基礎②~資金管理~

 

前回の記事でトレードの第1の要素であるトレード手法について説明しました。

トレードの基礎②~トレード手法~

 

 

今回は、トレード第2の要素である資金管理について説明していきたいと思います。

 

資金管理の重要性

 

トレードを始めたばかりの方は「いかに儲けるか」ということに気を取られて、資金管理をおろそかにしてしまう傾向があります。

しかし、トレードを長く続けている人は「資金管理が重要である」と口をそろえて言います。

裏を返せば、資金管理の重要性を理解している人でないとトレードを続けていくことができない、ということでもあります。

このことをよく表現した言葉があります。

「経験豊富なトレーダーがいて、無鉄砲なトレーダーがいる。

しかし、経験豊富で無鉄砲なトレーダーはいない。」

 

「タートル流投資の魔術」(カーティス・フェイス)より引用

原文は "There are old traders and there are bold traders, but there are very few old, bold traders." という old と bold をかけたエド・スィコータ氏の言葉であったと思います。

 

いくら大金を稼ごうが、市場で生き残っていくことができなければ意味がありません。

何億稼ごうが、資金管理を誤ればそれらをすべて失うことになりかねません。

トレーダーの強い味方である「時間」を有効に活用するためにも、資金管理は非常に重要なのです。

 

資金管理とは!?

 

資金管理は市場で生き残っていくために重要であると述べました。

しかし、それは資金管理の一方の側面に過ぎません。

資金管理にはもう一つの側面があります。それは、資金の有効活用です。

資金効率という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、「いかに効率よくお金を増やすか」というのも資金管理の役割なのです

有名なトレーダー集団であったタートルズのカーティス・フェイス氏は資金管理をこのように述べています。

リスクを取りすぎて、元手をすべて失うか、トレーディングをやめることになるか。

逆に、リスクをあまりに少ししか取らず、多くの資金をテーブルに残したままにするか。

つまるところ資金管理は、そのどちらかの間で折り合いをつけることなのだ。

「タートル流投資の魔術」(カーティス・フェイス)より引用

 

つまり、資金管理は生き残りながらお金を増やしていくために非常に重要なものだと言うことができます。

では、どのように資金管理を行っていけばいいのでしょうか。

 

資金管理は、先ほど「折り合いをつける」とあったように、これといった正解はありません

それぞれの資金量、精神的に耐えうる連続損失、取引する市場、取引方法など様々な要素によって資金管理のやり方は変わってきます。

しかしながら、多くの人が重要であると考えている資金管理の手法がいくつかありますので、その例を挙げていきたいと思います。

 

資金管理手法

以下にいくつかの資金管理手法を挙げていきます。

 

損切り(ストップロス)

 

これが最もポピュラーな資金管理の手法でないでしょうか。

損切りとは、損が出ているポジションを決済することです。

損失の拡大を止めるので「ストップロス」とも言います。

しかしながら、人間の心理として損失を確定させるのは難しく、ずるずると損失を拡大させてしまうことがよくあります。

そんな人のために、次の注文方法があります。

 

損切りの逆指値(ストップロス)注文

 

これは例えば買い(ロング)でエントリーした際に、「いくらまで下がったら自動的に売る」というのをあらかじめ決めて注文を出します。

そうすると、実際にそこまで値段が下がったら自動的に決済されるので、損失の拡大を防ぐことができます。

 

この注文方法の良いところは、人間の心理に左右されない点です。

注文を出しておけば後は自動的に執行されるので、嫌でも損失が確定されることになります。

個人的にこのストップロス注文には何度も助けられました

ストップロスが誘発された後は、自分で設定したにも関わらず「一時的な調整にストップが誘発された!せっかく利が乗っていたポジションだったのに!」と思いますが、その後も価格が下がる(上がる)のを見てストップロス注文のありがたみを知るのです。

 

ただし注意が必要なのが、流動性の低い市場や、市場が閉まった後に悪い材料が出てきて次に市場が開いたときなど、設定していたストップを超えて損失が出ることがあります。

これらを流動性リス・持ち越しリスクなどと言いますが、ストップロス注文も絶対的なものではないということを覚えておきましょう。

 

 

トレイリング・ストップ

 

先ほどのストップロスの応用で、トレイリングストップというものがあります。

エントリー時にストップロスを置いておき、価格が自分の予期した方向に動いた際に、その動きに合わせてストップロスを動かすことをトレイリング・ストップと言います。

 

例を挙げると、2000円の株を購入しストップロスを1900円に置いた場合、その後株価が2100円に上がった際にストップロスを2000円に動かします。

さらに株価が上昇し2200円となり、2100円にストップを動かしていった場合、決済せずとも少しずつ利益を確保していくことができます。

このようにトレイリングストップを使えばリスクを抑えつつ利益の確保ができるのです。

 

 

総資金での資金管理

 

これは注文方法等ではありませんが、非常に重要な考え方です。

 

よく株式投資などで、買った株に対し「利益が20%出るか、損失が10%出たら決済する」というような取引手法を耳にします。

しかしこの考え方は危険です。なぜなら、この場合の「損失10%」とは、買った株価を基準にしているからです。

 

例えば資金が100万円あり、2000円の株を500株買ったとします。購入資金は2000×500=100万円です。

この場合10%株価が下がったら、10万円の損失になります。一度の取引で総資金の10%を失うというのは、リスクを取りすぎています。

リスクを管理したいのであれば、総資金を基準にしてリスクを管理する必要があります。

徹底したリスク管理で知られるラリー・ハイト氏はこのように言っています。

どのトレードにおいても、総資金の1パーセント以上のリスクはとるな。

「マーケットの魔術師」より引用

伝説のトレーダー集団タートルズも、リスクは総資金の2%までと決められていたそうです。

これを考えると、10%のリスクがいかに大きいかわかると思います。

 

先ほどの株の例で考えると、2000円の株を500株買った場合、リスクを1%に抑えるとストップロス注文を1980円のところに置く必要があります。

これはあまり現実的でないように思えます。銘柄にもよりますが、株価は1日で20円以上動くことがざらです。

となると、取引数量を減らす必要があります。2000円の株を100株買ったのであれば、ストップロスを1900円に置くことができます。

こうなると、値動きの激しい銘柄でない限り簡単にはストップロスに当たりません。

このように、取引量をコントロールすることにより現実的なリスクコントロールを行っていくことができます。

 

厳密には、ストップロスは支持線や抵抗線などを考慮したところに置き、それに値動き幅(ボラティリティ)を考慮して取引量を決定していくという手法が一般的であると思います。

ボラティリティを考慮した資金管理及び取引数量の決定(ポジションサイジング)を行いたい場合、次に紹介するATRが非常に有効です。

 

 

ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)

 

値動きを考える際に活用できる様々な指標が存在しますが、この「ATR」は値動きの変動率を表す指標になります。

詳しい算出方法はここでは省きますが、このATRは価格の変動が大きいときはATRも大きく、変動が小さいときはATRも小さくなります。

アベレージというだけあって、〇日間の値動きを平均したものであり、一般的に14日で使われることが多いです。

伝説のトレーダー集団タートルズは、このATRを基準に取引量及びストップロスを決定していました。

具体的には、「自分がとれるリスク/ATR=取引量」となります。

例を挙げると、総資金が100万円、1回のトレードの許容リスクが1%(1万円)であり、購入する1000円の株のATRが50であった場合、購入数量は200株となります。

10,000(許容リスク円)÷50(ATR)=200(取引数量)

という式になります。

そして、ストップロス注文を株価からATRの値を引いた950円にセットすると、リスクを総資金の1%に抑えることができます。

 

これは株以外の様々な商品に活用することができる非常に有効な指標です。ぜひ活用してみてください。

 

 

まとめ

 

今回は資金管理について、

  • 資金管理の重要性
  • 資金管理とは何か
  • 資金管理手法の例

を説明しました。

 

資金管理については、市場で生き残り、かつお金を稼ぐために欠かせないものとなります。

この記事を読んでいただいた方は、資金管理の重要性を理解していただけたと思います。

 

また、これ以外にも資金管理は様々な手法や評価方法があり非常に奥が深いものとなっています。

しかし、トレードに関係する手法はできるだけ単純なものが良いとされています。

あまり凝った複雑さを追求せず単純で明確な資金管理によって、長期的に勝ち続ける方法を追求していきましょう。

 

次は、トレードの心理について説明していきます。

 

【作成中】トレードの基礎④~心理~

 

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